6000形車両(29号車~)
車両の概要
2019年2月より、西神・山手線、北神線に投入された新型車両。

6000形車両は、新しい車両技術を取り入れることで、これまで以上の安全性・快適性の向上、一層のバリアフリー化、そして環境に配慮した省エネ化を目指して設計しました。
車両の外観デザインは、ご利用いただくお客様をはじめ、多くの方々に愛着や親しみを持っていただきたいとの思いから、デザイン投票を行い決定しました。決定したデザインは、神戸の都心部と緑あふれる西神地区を結ぶ車両にふさわしく、洗練された中にも暖かみを感じるものになっています。
車内空間も一新しました。落ち着きのあるカラーリングと丸みを帯びたシンプルな形状を多用し、大型袖仕切には木目柄、妻壁には布目柄を用いるなど、上質な室内空間を目指しました。
また、M2、T車は車いすスペースを設置し、その他の車両にはフリースペースを設置しています。
諸元
項目 | 諸元 | 備考 | |||||
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車体(構体) | 耐食アルミニウム合金製ダブルスキン構造 | 外板無塗装 ヘアライン仕上げ | |||||
軌間 | 1,435mm | ||||||
電気方式 | DC1,500V 架空線式 | ||||||
編成 | 西神中央寄 | 新神戸寄 | |||||
形式 | 6100 (Tc1) | 6200 (M1) | 6300 (M2) | 6400 (T) | 6500 (M3) | 6600 (Tc2) | |
定員 | 124人 (40人) | 140人 (48人) | 140人 (48人) | 140人 (48人) | 140人 (48人) | 124人 (40人) | ()内は着座定員 |
主要運転性能 | 最大加速度:3.3km/h/s 減速度:非常 4.5km/h/s,常用最大 3.5km/h/s | ||||||
最大寸法 | 長さ:19,000mm,幅:2,780mm,高さ:4,055mm | ||||||
運用期間 | 2018年11月14日~ |
乗務員室

6000形では、運転室内のカラーリングをダークグレーで統一し、客室との区別化を図っています。天井面については、明るい色にすることで開放感を持たせています。表面の仕上げは艶を抑えることで、前面ガラスへの映りこみを軽減しています。運転台は1000形、2000形、3000形を踏襲し、力行とブレーキを独立で操作するツーハンドルマスコンを採用しています。運転台には、2つの画面を設け、左側の画面には速度や圧力などを表示し、右側の画面には車両に搭載された各機器の動作状態などをリアルタイムで表示します。
下記より6000系の機能を紹介します。
安全性の向上
車両情報制御装置

6000形には車両情報制御装置が搭載されています。車両情報制御装置には、車両に搭載されている様々な機器(制御装置やブレーキ装置など)の動作状態をリアルタイムで監視し、運転室に設置されたモニタに表示する「モニタリング機能」が備わっています。さらに、機器に故障が発生したときは、車掌や運転士に知らせ、故障に応じた処置内容を表示する「異常検知機能」を有しています。車両に万が一の事態が発生した場合にも、乗務員が迅速かつ的確に対応することができます。また、そのほかにも、車両の各機器を自動で検査する「車上検査機能」、お客様向け情報の制御や空調・放送関係を制御する「サービス機器制御機能」なども備わっています。車両情報制御装置は、車両の情報を集中管理することで、車掌や運転士の補助、機器の保守やお客様サービスの向上を効果的に行うことを目的としたシステムです。
戸閉制御

お客様が乗り降りする扉に搭載されている戸閉装置には、減圧機能があります。この機能により、扉が閉まった際に、体の一部やカバンなどを挟んだ場合、一時的に閉める力を弱めることで、戸ばさみからの脱出を容易にし、戸ばさみ事故を回避することができます。
快適な車内
座席デザインを一新

より多くのお客様が座席をご利用いただけるように、座席のデザインを一新しました。座席にくぼみをつけることで、一人ひとりの着座位置を明確にしています。また、他の鉄道会社で採用している数値を参考にし、定員を10人としていた座席を9人に改め、一人当たりの座席幅を約40mm広くしています。座席の端部には、大型の袖仕切りを設け、お立ちのお客様も快適にご利用いただけるよう配慮しています。さらに、各車両の中間部にはスタンションポールを備えることで、吊り革のご利用が難しいお客様にも安心してご利用いただけます。
仕切扉

車両の連結部に、全面ガラスの仕切扉を設置しました。全面をガラスにすることで、開放感が生まれ、車内の見通しがよくなります。このガラスには衝突防止のために、大人や子どもの目線の高さに模様が印刷されています。
車内案内表示装置

各号車に千鳥配置で車内案内表示装置を設置しています。車内案内表示装置は、2つの画面で構成されています。右側の画面には、お客様への案内関連を表示しますが、行き先や次駅の案内を表示するだけではありません。次に到着する駅で扉が開く方向、駅に設置されているエレベーターやエスカレータ、階段の位置、乗換案内も表示します。また、駅案内は日本語だけでなく、英語、中国語、韓国語も表示し、海外からのお客様も安心・快適にご利用いただけます。事故などの非常時には、車内放送だけでなく、車内案内表示装置で視覚的に案内することができます。左側の画面には、様々な企業や団体の広告、神戸市からのお知らせなどを静止画や動画で表示します。
間接照明

車内の照明は、LEDの間接照明を採用しました。間接照明を採用することで、意匠性が増すのと同時に、お客様が天井を見上げたときのまぶしさが軽減されます。さらに、LEDにすることで、省エネ性能が上がり、車内が明るくなりました。
より一層のバリアフリー化
車いすスペースとフリースペース

1000形、2000形、3000形と同様に、3号車と4号車には車いすスペースを設けています。さらに、6000形では、大きな荷物をお持ちのお客様やベビーカーをご利用のお客様にも、快適にご利用いただくことができるよう、その他の号車にも写真のようにフリースペースを設置しています。
優先座席

各車両の連結部付近には優先座席を設置しております。従来の車両は、片側のみを優先座席とし、向かい側については一般座席としておりました。6000形では、連結部付近の座席は全て優先座席にすることにより、1編成当たりの優先座席数を36席から56席に増やしました。また、従来は優先座席と一般座席を、色の違いで区別していましたが、6000形では色の識別が難しいお客様にも認識していただけるように、色の濃淡で区別しています。優先座席の前に設置されている吊り革は、一般座席と異なる色を採用しています。
省エネ化で環境に配慮
LED化

前照灯や尾灯、客室照明などの照明関係を全てLED化しました。LEDにすることで、省エネ性能が向上しています。車外に設置された行き先表示もLED化し、省エネ性能の向上だけでなく、文字以外のイラストなどを表示させることができます。
SiC(シリコンカーバイト)

装置に用いられる半導体にSiCを採用しました。従来のSi半導体よりも低損失なパワーデバイスを採用することで、省エネ性能の向上ならびに、装置の小型・軽量化を図っています。